狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】

「あれっ。狼谷君、今日は来てるんだ?珍しいね」


「うん……。でも、やっぱり参加はしないみたい」


体育館の隅に制服姿のまま一人あぐらをかいて携帯をいじっている星哉。


「そういえば、狼谷君の体操着姿って一度も見たことない気がする」


「……だね」


沙希と言葉を交わしている間も、視線の先にいる星哉から目が離せない。


体育館のコートの半分は男子がバスケを、その半分は女子がバレーの試合をしている。


体育館の中にはたくさんの生徒がいるのに、どうしてか星哉のいる場所ばかりに目がいってしまう。


別れるって決めたのは自分。


だけど、星哉を嫌いになって別れたわけじゃないから……


いまだに星哉の姿を見つけると目で追ってしまう。


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