狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】
スラッと背が高くて茶色い髪をゆるく巻いている先輩は3年生の中でも人気があった。
大人っぽくて色気もあるし、女のあたしから見ても魅力のある人。
先輩と狼谷君……悔しいけど……すごくお似合いだ。
「ねぇ、あたしじゃだめ?そろそろちゃんとした答え聞かせてよ」
先輩は狼谷君の腕を掴んで、上目遣いで彼を見上げる。
多分、大半の男の子なら先輩にあんなことを言われたらきっとノックアウト寸前だろう。
現に、そばで見ているだけのあたしですらかなり動揺してしまったくらいだ。
だけど、狼谷君は表情一つ変えずに先輩の手を自分の腕からほどいた。