狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】
「どうして?どうしてあたしじゃだめなの……?他に好きな子でもいるの?」
「いない」
「じゃあ、どうしてよ?」
「別に。女と付き合う気はないってだけ」
「何よ、それ。女と付き合う気はないっていうことは、男と付き合う気はあるってこと?」
口の端を持ち上げて呆れたようにそう言う先輩に狼谷君は顔色一つ変えずにこう返した。
「そうだと思うならそれでいい」
そうだと思うなら……それで、いい?
「はっ!?……――し、信じらんない!!最低!!」
怒りで顔を真っ赤に染めた先輩は狼谷君を鋭い目でキっと睨んで立ち去った。