※公開終了間近! イロモノなアタシ
「これ、指輪代わりにも出来るんだ。ほら」


表面をよく見ると『K LOVE for S』と彫り込まれていた。


きっと、文字も自分で入れてくれたんだろう。


「もう……」
「それじゃ色気が無いって、最近気づいてさ」
「色気なんて言葉、出るとは思わなかったよ」
「一応、役者だから」


あ、もうこんな時間だ。


ドラマが始まる。


「TVつけていい? ほら」
「観ないって」
「観なさい、初回なんだしスペシャルでしょ」


画面に出ている彼は、主人公の親友役。


スーツ姿で、あわただしく動き回っていた。


でも、やっぱりかっこいい、主役の役者さんよりも。


「3回目まで話は知ってるし」
「ね、いつキスシーンあるの? 」
「今日、でも、観ないでいいから」


観たいって、そんなの当然。
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