※公開終了間近! イロモノなアタシ
アフターだって、遅くなければ誘ってくれるし、いいお客さんなんだけれど。


でも自分の中で答えは出なくて、顔を見るたびに頭の中が混乱する。


「幸せの女神様の後ろ髪はハゲてるんだって、すぐに捕まえないと逃げるわよ」
「うん」
「何を迷ってるのよー、ドンと行きなさいって」


そうですね、行けばいいんですよね。


普通の女性なら行くでしょう、間違いなく。


でもさ、あたしの役割は面白おデブさんなんです。


「まーカマには言われたくないと思うけど、悩みがあるなら相談してよ」
「はい」


どっちが先輩なんだか分からないやりとりを終え、席に戻るとクミさんが声を掛ける。


「ねー、シホちゃん。今度ね、お客さんと一緒にバーベキューに行こうよー」
「いいですねー、肉、一杯ありますかー? 」


ニヤニヤ笑いながらお客さんに聞くと、席では大爆笑が起こった。


「その顔ー、ヤバイでしょー。もう、肉食動物系」
「二丁目の草食動物ハンターって言われてますからぁー」


また起こる笑い、あたしはハンターどころか、か弱い羊さんだよ。


せっかくのチャンスなのに、ウジウジ考えてなーんにも出来ずに草を噛んでる。
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