私は最強ビンボー女!
林の瞳が、一瞬、うるんだように見えた。

が、それは光の悪戯だったのかもしれない。


すぐに林は淡々と言ったから。


「青菜のろくでなし親父が、捕まってた。血だらけで横たわってて、今にも死にそうだった。」



「そんなこと言わなかったじゃないか!!!」

理事長が珍しく怒鳴る。


りおさんも眉を吊り上げる。



「だって、電話でそんなふうに怒鳴られちゃ堪んないし。」

肩をすくめて見せた林。



「とにかく、そのろくでなし親父が捕まってる限り、ヘタなことはできないだろうから。

青菜、戻って来れないかもしれない。」





―――その、青菜のろくでなし親父、殴りたいな。



ふと思った。


そして、ハッとする。




俺、もうすでに、本気なんじゃねーか?


青菜に、本気で惚れちまったんじゃねーか?




・・・・・そうだ。きっと、そうなんだ――。



今、気付くとは。

苦笑したくなってしまった。





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