私は最強ビンボー女!
私が手に取った浴衣は、紺色の布地に白い花がたくさん描かれている地味目のもの。



「テキトーに選んだでしょ。」


「うん。」



私が頷けば、葉月は苦笑した。



「普通、女の子ならちゃんと選ばない?」


「普通じゃないもんで。私、浴衣着るの初めてだし、よく、分かんないから。」


「初めて?七五三の時とか、着なかったの?お祭りの時とか。」


「うん。七五三は完全無視されたし、家に浴衣とか無いし。」


「へぇー。じゃ、やっぱ私が着せてあげなきゃ駄目か。」


「そういうこと。よろしく!」


「任せといて!」




葉月はそう言うと、ニッコリ笑った。





きゅんっ




その笑顔に、不覚にもときめいちゃったぜ!


私、女なのに!!




葉月ってモテるんだろーなー・・・


なんて考えながら、葉月に浴衣を着せてもらった。






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