私は最強ビンボー女!
下っ端くんは、じっと私を見て、口を開いた。



「あの、なんで、1人で生きてくって思ってんのに、毒牙に入ったんですか?」


真剣な瞳の中に、かすかだけど、確かに、"警戒"あった。


私は微笑みながら言った。



「諸事情があってね。

ていうか、もっと、そうやって警戒してくんない?

じゃないと、危ないよ、君達。」



私の言葉に、目を見開く下っ端くん。


「気付いてたんですか?」


「まーね。」


「なんで・・・警戒なんですか?裏切る、とかですか?」


ギッと睨むように、私を見た下っ端くん。


その言葉には答えずに、私は言う。


「毒牙、大切なんだね?」


「当然です。」


キッパリと答える下っ端くんは、未だに私を睨むように見ている。

そんな彼を、真っ直ぐに見つめ返した。



「じゃあ・・・私じゃなくて、全力で、毒牙を守りな。

毒牙を・・・"本当のお姫様"を。


私なんかじゃなくて、もっと、守るべきものがあるんだから、

そっちを、全身全霊で守りなよ。」


静かな声で、でもハッキリとした口調で伝えた。






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