私は最強ビンボー女!
「お前の双子の姉を探す事は、できない。

お前、それ、知ってんだろ?」



苦々しげに言う健一さん。


緋月ちゃんはその言葉に、さらに健一さんを強く睨む。


「知ってますよ。どうせ、小野家がなんか言ったんでしょう?」


「ハハ・・・やっぱ知ってんじゃねぇか。」


弱弱しく笑った健一さん。

緋月ちゃんは吐き捨てるように言った。



「警察が役に立たないから・・・

私がこうやって、ふらふらしてるんじゃないですかっ!!!」



健一さんは、哀れむような視線を向けた。


「緋月ちゃん、そもそもが間違ってんだよ。

もう終わったんだよ。"あのこと"は。
過ぎた事、なんだ。

葉月を探そうなんて思うのが間違いだ。」



その言葉に、緋月ちゃんの瞳から、涙が溢れ出た。



「そんなっ・・・過ぎた事でも・・・私、はっ!!!

わたし、は・・・・・・―――――」




――ドサッ



何かを言いかけ、突然緋月ちゃんは倒れた。

涙を、流しながら。



ポツリと、雨の最初の一滴が、倒れた緋月ちゃんの頬に、落ちた。





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