私は最強ビンボー女!
ただ、上手くいかないのだ。
朝霧葵であるが故に。
邪魔をする。
彼女の不器用さが、プライドが。
"朝霧家当主"という肩書きが。
「のぅ、朔。今日はおそらく、記念日になるであろうな。」
「えぇ。なるでしょうね。」
今日は何かの記念日になる。
何かは分からぬが。
「・・・・・・葉月のことは、頼むぞ。」
唐突に彼女は言った。
真っ直ぐに、俺を見据えて。
「あたしは、葉月のことが何よりも気にかかるのよ。」
真一文字に唇を結んだ彼女。
俺は、静かに頷いた。
「お任せください。
愛しております。ご心配は無用でございます。
・・・・・・葉月には伝わらないでしょうが。」
小さく付け足せば、彼女はケラケラと笑った。
俺も苦笑しながら、思う。
もうすぐ、"事"は起こるだろう――そんな予感がする。
―朔side end―
朝霧葵であるが故に。
邪魔をする。
彼女の不器用さが、プライドが。
"朝霧家当主"という肩書きが。
「のぅ、朔。今日はおそらく、記念日になるであろうな。」
「えぇ。なるでしょうね。」
今日は何かの記念日になる。
何かは分からぬが。
「・・・・・・葉月のことは、頼むぞ。」
唐突に彼女は言った。
真っ直ぐに、俺を見据えて。
「あたしは、葉月のことが何よりも気にかかるのよ。」
真一文字に唇を結んだ彼女。
俺は、静かに頷いた。
「お任せください。
愛しております。ご心配は無用でございます。
・・・・・・葉月には伝わらないでしょうが。」
小さく付け足せば、彼女はケラケラと笑った。
俺も苦笑しながら、思う。
もうすぐ、"事"は起こるだろう――そんな予感がする。
―朔side end―