私は最強ビンボー女!
「どっちだよ。」


「あは?」


彼方のツッコミに、曖昧に笑う。





――諦めちゃえばいいのに。


それは、私の本心だ。

だって、疲れちゃう・・・・。




『疲れない。俺は、それを疲労だとは思わない。』



不意に蘇った陽の声。

思いのほか心に刺さったのは――



それほどの思いだということに、驚いたからか。

陽の真っ直ぐな瞳に、怯んだからか。


それとも。



そう、真っ直ぐに言える陽に・・・くらくらするほど、憧れたからか。





――ねぇ、陽。

全く全然子犬クンじゃなくなっちゃったけど。

根っこの方は、変わってなかったんだね。






『青菜の方が・・・真っ直ぐだ!!!』


陽のほうが、真っ直ぐだよ。

私の胸が、痛むほどに。





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