*正しい姉弟の切愛事情*
石川君の背中は大きくて私の視界から景色を隠してしまう。
わりと細身だし一見しただけだとそんなに感じないけれど、こうやって近づくと男の人の大きさを目の当たりにして改めて驚く。
瑞貴の背中はまだここまで広くはないな……。
不意に甦った弟の顔に、私は首を振った。
なんで瑞貴のことなんか……。
石川君の背中につかまりながら、心臓を落ち着けようと深く息を吐き出す。
どうして。
自分でも戸惑うくらい、ふとした瞬間に瑞貴のことを考えてしまう。
本当は用事なんてないし、石川君に家まで送ってもらっても問題ないはずなのに、
私は恐れてしまった。