そして 君は 恋に落ちた。




……昨日は、声を出さずに泣く私を慰めるように、背中越しに小林君が優しく抱き締めてくれた。

それと同時に、回された腕の心地よさに涙は溢れてもう止められなかった。



そうして気付いたら泣き疲れて眠ってしまった私……。

そのままここで……



思い出し、ああぁぁっと頭をわしゃわしゃしていたら、トイレに行った小林君が戻ってきた。


恥ずかしさに慌てる私を彼は見下ろし、

「セックスしたわけでもないのにそんなに意識されるとどん引きだな」

と吐き捨てた。


「………」

「とにかく味噌汁飲ませて。もう時間ないから急いで」


どこでもどんな状況でもマイペースな小林君。

その変わらない姿に少しホッとした。



「大根しかないけどいい?」


「しかたねーな」

言われて、いそいそ作ろうとする私はそうとうなドMな気がする……。

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