そして 君は 恋に落ちた。
16





謝ろうと思った。


それでその後、俺の気持ちを伝えようと思った。




―――春日さんが好き。



その気持ちを、もう誤魔化せないところまで来てしまったから。


そんな、今日―――




昼休憩も終え、しばらく仕事をして。少し疲れが出てきたので軽く挨拶をし休憩ルームに向かった。



「……だって」

「うっそ!」


そこには先約がいて、廊下からでも聞こえる小さくもない内緒話が聞こえてきた。

自販機でコーラを買いたかった俺は小さく心の中で舌打ちする。


……またにするか。


はぁー、と深く息を吐き回れ右をした瞬間、


「あのお局瀬川さんだけじゃなく小林さんまで毒牙にかけてんの?!」

「ちょっ シーッ」


「聞こえる!」と慌てる連れを無視して、騒ぎ出した。



「だって泊めるって何よ!
 小林さん浮いた噂ないから密かに狙ってたのにーっ!」




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