そして 君は 恋に落ちた。
18







「ちょっ、まっ、て…!」



エレベーターのドアが開いたと同時に、掴まれていた手首を思い切り引かれた。

足がもつれそうになりながら松田君の後ろをついて行くと、見た事あるドアの前で止まる。


器用に私を掴まえたままドアに鍵を差し込む彼。

最後の足掻きとばかりに抵抗を見せる私に、彼は開いたドアの中に投げ入れるように押し入れた。



「……っ」


よろけながらも何とか転ばずに済んだ私に、さらに彼は二の腕を掴み玄関の壁に押しつける。


もう、扱いが酷い。




「は、離してっ」

「聞けません」

「やっ」


掴む手を引き剥がそうとする私に、彼は冷たい目で見下ろし力一杯抑えつけた。



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