そして 君は 恋に落ちた。







もういい、なんて言わないで。

いらない、なんて言わないで―――…





私の声にならない声に、彼はゆっくりその動きを止めた。
細く開いた瞳に映るのは、額に汗して私を求める男の姿。

愛しい男の………



「……好き………松田君が、………好き、なの…」


震える声。

涙と汗が入り交じった私の顔を見下ろしたまま、彼は私の言葉を静かに聞いている。



「…おね、が…だから……
 いらない…なんて……言わないで……

 私を………私だけを…欲しがっ」



最後の言葉は、彼の口の中。

あろう事か彼はそのまま動きを再開し、私は唇を塞がれたまま、弾け飛んだ――――…












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