そして 君は 恋に落ちた。
†last story






「へぇー。

 …………………で?」

「え…っ ―――“で”?!
 ……で、えっと―――…

 わ、私と松田君が付き合う事に、なりまして…」



……冷や汗ダラダラ。

それもそのはず。


只今会社そばのレストラン「アルカディア」で、瀬川君と小林君を前に、絶賛“報告会”の真っ最中―――



「ふーん。……俺は避けられて避けられて、結局小林は二人がどうなるか見てきたって事かよ」

「えっ そこ?!
 私と松田君の下りは無視なの?!」


瀬川君が赤ワインを口に含みながら苦い顔をする。
正直、目に分かるふてくされ方をされて、私もいつものように強気でいけずタジタジ……。



「美和ちゃんにもとうとう彼氏かー!」

フォローするようなオーバーリアクションで、オーナーの吉永さんが感慨深げにうんうんと頷いた。


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