私達の思い出
『ハァ、ハァ、ハァ、…っ!!待って…!!』

「大丈夫か!?」

膝に手をつき、息を整える。こう言う時体力がないことを心底恨んだ。

「ほら、手貸せ」

『大丈夫…』

「大丈夫じゃないだろ!!ホラ、行くぞ!!」

『きゃっ!!』

光に手を掴まれ、そのまま引っ張られる。



ガラッ

「セーフ!!」

『疲れた〜!!』

2人して教室に入る。まだ先生が来てない事に内心ホッとしながら、自分の席に着く。

『あ〜…疲れた〜!!』

「千尋ったら、また遅刻?」

『夕夏ちゃん!!』

右隣の席に座っているのは、私の大親友・黒木夕夏(くろきゆうか)ちゃん。美人で可愛くて、まさに大和撫子!!

「相変わらずね(笑)」

口に手を添えて、上品に笑う夕夏ちゃん。ふと、後ろを見る。

『孝汰、おはよ』

「…ん」

机に突っ伏しているのは私の幼馴染み前田孝汰。そして、私の好きな人。

「お前、また遅刻したの?」

『でも先生来てないから、セーフでしょ?』

「ふ〜ん…」

そう言って孝汰は頬杖をして窓の外を見る。

ガラッ

「席に着けー!!HR始めるぞー!!」

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