真面目くんがネクタイを緩めるとき
気になる。気にならない。
聞きたい。別に聞かなくてもいい。
自分の誤魔化せない思いとプライドがぶつかり合って喧嘩する
鞄を持って教室から出て行ってしまった梶の後ろ姿を見て呟いた。
「別に……。
気になってるわけじゃないんだから」
私のプライドは高い。
たかが、知りたいだけの興味程度の思いに負けるわけがない。
そう、きっと。
だからこのモヤモヤした感情は気のせいなんだと
いい聞かせるしか、私にはできなかった。