真面目くんがネクタイを緩めるとき
髮を撫でて空気と絡ませて
慣れた手つきで私の髮をふわっと広げる
「あんた…慣れてる…?」
直感的にそう思った。
女の子に優しく触れる手、嫌悪感を感じさせない仕草。
それは
慣れている人しか出来ないと思った。
「あなたは僕の事、恋愛もした事のない
地味男と言いましたよね?
どうして慣れてるかなんて聞くんですか?」
私を見つめながらそう言う梶にドキドキが止まらなかった。
前はそう決めつけてたけど……
今の仕草は慣れてないようには見えないんだもん!