恋音!

原石を持つ君に。




――放課後――



「あたしは歌わないわよ?」


そう言って、真理ちゃんはカラオケに来てくれた。

なんだかんだで世話好きの私の親友、真理ちゃんは、なんとなく大人の雰囲気がある。

背も高くて、整ったその顔。

女の私でも、惚れちゃいそうだよ






「何?」


いつのまにか、みとれちゃっていたみたいで、私はあたふた。



「ほら、王子の登場よ?」



落ち着きを取り戻した私は、街の女子達の熱い視線のなかを堂々と歩いてくるルイ君と目があった。


「ふうりちゃん!」


絶妙な笑顔のルイ君は、誰もが認める美少年って感じ。


そりゃ、こんなスマイル見せられたら 皆、いちころでしょーねぇ…




「なんか…ふうりちゃん、私服…」


「え?私服?なんか、変かなぁ?」





突然、ルイ君がじっと見つめてきたから、どきっ。



今日はけっこう頑張ってオシャレしたんだけどな…




「可愛いね。似合ってるよ」



――きゅん。

お世話なのくらい分かるけど、ちょっとだけ、鼓動が早まる。




「あ、ありがと!」



「照れてるね。可愛い」


「ひゃあっ」



ルイ君が私の頭を撫でると、ルイ君の甘い香りがして、顔が熱くなった








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