trustworthy
2章

karen side1.


…なんとなくだけど、嫌な予感はしてた。


でもせっかく久しぶりに翔時のマンションまで来たのに、とんぼ返りするのも違うと思った。


合い鍵をキーケースから取り出し、ドアを開けた。




………やっぱり入らなきゃ良かった。

女の感とはよく言ったもので、どうやら私はそれを発揮してしまったらしい。

可愛らしいサンダルが脱ぎ捨ててある。

そしてたいして広くもない1Kの部屋は、ドアを開けると全て見渡せてしまう。

目線を足元から徐々に上へあげ、まっすぐ前を見据えると。

ベッドには誰かが寝ている。

ドアがあいても起きる気配はない。

もしかしたら翔時一人だけかもしれない、となぜか考えてしまう。


靴を脱ぎ、物音も気にせず近づく。


…翔時ともう一人、誰か寝ている。
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