マーブル色の太陽
僕は馬場先生と二人で生活指導室へ入る。
何故だかみどりも入りたがったが、授業もあるし、そもそも保護者でもないのだから入れるはずもない。
「その……頭の傷は大丈夫なのか?」
指導室の椅子に座るなり、馬場先生が聞いてくる。
この人がそんな事を気にするのは珍しい。
「はい。包帯が大げさなんですけど、もう、取っても大丈夫だと思います。入院が1週間だったのは……その……親が気にして、いろいろと検査を受けてたからです」
「そうか……。検査の件はお母さんから電話で連絡は受けていた。相田は成績も良いから、勉強の方は大丈夫だな」
「はい、頑張ります」
「ところで……」
そう言うと、馬場先生は少し黙り込んだ。
何か言いにくいことでもあるのだろうか。
僕には何かを言われるようなことをした覚えはない。