マーブル色の太陽

再び、運転手がガードレールへの接触を試みる。

ギイギイと気味の悪い音を立てながら、バスは進む。

しかし、そのうち、その音もしなくなった。

僕は再び思い出す。山側にはガードレールがなかった事を。


「つ、つぎはははは……ててててててんまんんんんんぐうううううまうぇぇぇぇぇぇ」


運転手が突然、高笑いをしながら放送を繰り返す。

その異様さに体が凍りつく。

僕は何も出来ない。

ここで終わりなのだろうか。

まだしたいことがたくさんある。



坂木がいない学校でのんびりすごしたい。

江口さんとデートしたい。

琢磨と話したい。

みどりに……会いたい……。
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