マーブル色の太陽

ガサゴソと人の気配がする。

これは夢か?

人が……ひとり……入ってきたような気がした。



『声』が出現するようになってから、人や物の気配を感知する部分が曖昧になった。

それは特に夢と現実では顕著に現れ、夢で行ったことなのか、現実世界で話したことなのか分からなくなっていた。

その夢か現実か分からない世界で……僕は、部屋に入ってきた男に白くドロリとしたものを飲まされた。

しばらくすると、視界は暗くなり、僕の意識は遠のいてしまう。

そう、あの『声』が与えた暗闇のように。
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