俺様ヤンキーに初恋を捧ぐ
10.君を守るそして・・・
外は暗くなり、雪は止むこともなく、ずっと降り続く。

それでも私は温かかった。

一人用の傘に、龍と肩を寄り添い、家路につく。

「ゴメンな、車で送ってやりたかったけど、

会社に置いてきたんだ」


そう言って苦笑いした龍。

私は笑顔で首を振った。

『気にしないで?私はこうやって歩いて帰るのもいいから』

メモ用紙に走り書きする。



それ以上は何も言わなかった。

2人とも胸が一杯で、何を喋ったらいいか、わからなかった。

それでも繋がれた手が、2人の距離を近づけていく。

私は本当に幸せで、この手をもう二度と離せないと思った。


…家に着き、龍は帰ろうとする。

でも、離れたくなくて、手を掴んだまま離せなかった。

それを見た龍は、クスッと笑った。

私は龍をジッと見つめる。


「本当はさ、今すぐ杏を抱いてしまいたい」

「///」


「でも、そんなに焦らなくても、もう二度と、この手は離さないから。

杏とやり直す為に、ゆっくり進んでいきたい・・・

だから今日はこれだけ…」

そう言った龍は、私に優しく口づけをした。
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