俺様ヤンキーに初恋を捧ぐ
7.初恋は君に…もう、恋はしない
私はどれくらい眠っていたんだろう?

気が付くと、見慣れた天井が目に映った。


「…気が付いた」

「・・・」

その声は聞こえないけれど、私の視界に人影が。


「杏ちゃん、先生が診察してくれて、

どこにも異常はないって言ってたよ」


そう言って微笑んだのは、龍。・・・ではなく、

雷君だった。



『…龍は?』

口パクで雷君に問いかける。

そんな私に少し驚きつつ、微笑んだ雷君は、


「会社に戻ったよ」

そう言った。


私は何も言えなくて、布団を深くかぶった。

・・・!!

布団の上から、私の頭を優しく撫でた雷君。


…私は目だけを布団から覗かせた。

「今は、何も考えなくていいんじゃない?

今は、自分の体の事だけ考えなよ」

龍の事を諦めろ、とか、もう止めた方がいい、とか。

言われると思ってたのに。
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