俺様ヤンキーに初恋を捧ぐ
『そんな困った顔しないでよ・・・

オレは杏ちゃんを苦しめたくて告白したんじゃないんだ。

まだ、龍の事が大好きだって知ってる・・・

だから、それでもいい…付き合わなくてもいい。

オレが勝手に、杏ちゃんの傍にいたいんだ』



『…私は、もう…恋はしないって決めたの。

誰も好きにならないし、この先結婚もしない。

この耳のせいで、誰かを傷つける事は、もう二度としたくないから』

そう言った私の目には、涙が溢れていた。



『・・・何でそんなに自分で自分を苦しめるの?』

「・・・ぇ?」



「もっと、気楽に行こうよ・・・

毎日を楽しまなきゃ、面白くないよ・・・

オレは、いつも楽しそうに笑ってた杏ちゃんが好きなんだ。

だから、その手伝いが出来るだけでいい。

友達だから・・・ずっと」


ゆっくりと、言葉でそう言った雷君。

・・・その気持ちは凄く嬉しい。

…でも、それに甘えてもいいの?

私は雷君を好きになる事は、きっとずっとない・・・のに。
< 90 / 109 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop