総長からの「愛してる」



だらん、と美愛の力のない手が俺の腰に当たる。



抱きしめ返すことすら、ままならない。




美愛がどんな気持ちで未來を守ってきたか


美愛の生きる理由は未來だけだったことも


未來を必死に育ててきたことも


自分を犠牲として生きたことも



全部、知ってるから。




だから、俺は美愛が今絶望のどん底なのもわかる。



……けど、



わかったところで何もしてやれない。




こうして抱き締めてやることしか、できない。





「美愛………愛してる。」




お前の人生は愛情不足で。



その分これからは、俺が愛してやる。



だから、頼む。





「生きてくれ。」





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