ウシロスガタ 【完】
胸から下に裂かれた大きな傷……


言葉を失った俺を見ながら冷夏は話し始めた。



「冷夏、性処理場だったんだよ」



笑顔で言う冷夏に俺は、崩れそうになり、それでも力を振り絞り、俺は冷夏を力強く抱きしめた……。



「冷夏ごめん……もういい、もういいから」
「聞いて!!」



「冷夏……」



「最後まで聞いて……」



「………」



「自分でやったんだよ、女でいる自分が嫌でね……冷夏の体をもて遊んだ奴等の前で」



「………」



「胸をとっちゃおうかと思った」




どうして……



どうして冷夏が……




もぅ悲しみなのか……



怒りで頭がいかれちまったのか



あまりにも衝撃的で涙すら零れず、



俺は冷夏の上着をめくり上げ、傷口にそっとキスをした……。
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