冷たい世界の温かい者達
「道路出よう」
千尋は上手く先導しながら、欠伸を零した。
………体力擦り減らしてたからな。
「兄ちゃん! スーパーボールめっちゃ取れたでー!」
少年1人の少し方言混じりの大声が耳に入った。
その男の子だと思われる子供が、俺達の目の前を走って行った。
『………幼稚園くらいかな』
あ、幼稚園児にはまだ身長勝ってる。
チラリと由薇の身長と子供の身長を見て少しだけホッとした。
………そのうち消えそうじゃね?
なんてバカらしいことを考えながら、ただじっと寛晃を待っていた。
「樹、走るなよ。 危ないぞ」
「あっ」
子供に目を向けると、子供が手に持っていたスーパーボールは既に滑り落ち、道路に向かって跳ねていた。
『ーーー‼』
隣の由薇は目を見開いて、その光景に手を伸ばした。
「樹‼」
兄貴らしい奴の焦った声が聞こえた。
由薇が走り出したと同時に、子供に向かってトラックはギラッとライトを不気味に光らせた。
ガシャン