冷たい世界の温かい者達





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啜り泣く千尋の少し荒い息遣いだけが部屋に響いていた。



酒を大いに飲んだ奴等は深い眠りに就いているのか、起きる気配はない。






偶々起きてしまった、というのは言い訳にできないが、しょうがない。




聞こえてしまったんだから。





千尋に抱きつく由薇とそれに縋るように手を握る千尋。





……正直、嫉妬してる。




いや、千尋が過去への囚われの枷が緩くなったのなら喜ばしいことだが、由薇が抱きついているのは面白くない。




壁にもたれて俯いて寝たふりをする自分が哀れに思えてきて嗤った。





泣き止んだのか、千尋が「ありがとう」と呟いたのを聞くと、由薇は軽く笑った。





『皆起こそうか』





「あぁ……」




返事した千尋の声音が心なしか明るく思えた。




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