冷たい世界の温かい者達
急いで救急車に運ばれた由薇は今の時点で3時間近く手術に時間がかかっている。
その間誰も話さなかったが、突然由咲さんは口を開いた。
「………樹」
突然名前を呼ばれた樹は体をビクつかせながら振り向いた。
それを由咲さんは見て見ぬ振りして言葉を続けた。
「お前の情報で、1つ抜けていることがある。
由薇にとって人生の苦痛でしかなかったことが………な。」
由咲さんは悲しそうに瞳を揺らしたが、すぐにしっかりと樹を見据えていた。