【完】るーむしぇあ。
「綾香ちゃんは?」
私の問いかけに、和希くんの視線が左の方へ向かう。
そこには赤い明かり……『手術中』の文字。
「佐々木が出かけたあと、電話がかかってきたんだ……前にもこんなことあったけど、でも……」
和希くんの横に座りながら、その手をゆっくりと握った。
その手は少し震えていた。
何回経験したって慣れるはずないもん。
「大丈夫……絶対、大丈夫」
私は綾香ちゃんの笑顔を思い浮かべながら力強く言った。
和希くんは返事をする代わりに私の手を強く握り返してくれた。