響〜HIBIKI〜
第12話 食事会
翌朝。


昨夜は、眠れそうにないとソファで眠る花奏に寄り添っていたTAKAHIRO。


朝方になり、ウトウトしたのか気がつくと花奏に掛けてやったはずのブランケットが自分の肩に掛かっていた。


髪をかきあげながら、グッと伸びをする。

ボーッとしていると、洗面所の方で物音がする。


一人暮らしのTAKAHIROのいつもの朝なら、目が覚めても家の中はシーンとしている。


洗面所のドアがパタンと閉まる音がして、廊下を歩く足音がする。


TAKAHIROがリビングの入り口に目をやると静かにドアが開く。


花奏と目があう。


「おはよ」


そういいながら、花奏は恥ずかしそうにタオルで半分顔を隠しながら、TAKAHIROに近いづいてくる。


TAKAHIROの横に座る。


「すっぴんも可愛いよ」


TAKAHIROに初めて見せる素顔。


「恥ずかしい」


ハニカミながら、うつむく花奏。


TAKAHIROは、花奏の肩を引き寄せ髪を撫でる。


「あ」


そういうと花奏の髪に鼻を寄せる。


「俺と同じ匂い」


「うん。シャンプー、借りちゃったよ」


「そっか、そうだよな」


TAKAHIROには、花奏の一つ一つの行動が新鮮だった。
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