響〜HIBIKI〜
その日の夜。


TAKAHIROは、仕事が長引いているらしく、花奏は先にベッドに入り休んでいた。


目を閉じてはいたが、明日のイベントのことが心配で眠れずにいた。


玄関が開く音が聞こえた。


TAKAHIROは先に休んでいる花奏に気を使って、そうっと廊下を行き来するのが聞こえる。


物音が気になるが一人でいるより、何となく落ち着く。


しばらくすると、寝室のドアが静かに開く音がして、TAKAHIROがベットに入って来た。


「かな、もう寝た?」


TAKAHIROは小さな声で話かける。


すると花奏は、目を開けて、TAKAHIROの方を見た。


「おかえり。遅かったね」


「やっぱり、起きてた。眠れない?」


「うん」


TAKAHIROは、花奏の手を握る。


「手つないで寝よっか」


「うん」


TAKAHIROに手を握られ、目を閉じる。


「朝まで、何も考えずにゆっくり寝よう。俺のことは、夢の中で」


「ふふっ。会えるかな?」


余裕たっぷりのTAKAHIROを見ていると花奏も安心して眠れそうだと思った。
< 125 / 142 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop