響〜HIBIKI〜
「今すぐに決めなくてもいいよ。かなちゃんが本当にやりたいことが他にあるなら、無理にとは言わないし」


HIROは、優しい口調でそういった。


「かな、今日は疲れてるし、ゆっくり休んで…」


TAKAHIROが言い終わる前に花奏が口を開いた。


「あの…、仕事、一緒にやらせて下さい」


二人は、花奏の言葉に少し驚いた様子。


「あの…、今はまだ夢がないんですけど、一歩踏み出してみないといけない気がするんです。」


花奏の言葉にHIROは、満足そうに何度もウンウンとうなづいた。


「よし、じゃあ、決まったな。よろしく」


そう言って、右手を差し出した。


「あっ、はいっ。こちらこそよろしくお願いします」


花奏は慌てて、握手に応えた。
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