響〜HIBIKI〜
第4話 寄り添う二人
翌日。


花奏はTAKAHIROとともに朝一で現場入りした。


打合せやメイクや慣れないことばかりで、余計に緊張する。



昨日、TAKAHIROに勇気づけられた甲斐もなくガチガチの花奏だった。


「かな、力入りすぎだよ」


「うん」


TAKAHIROが優しく笑顔でそう言っても簡単に、肩の力は抜けそうになかった。


「しょうがないなぁ」


TAKAHIROはそう言うと側にいたスタッフに目配せをした。


スタッフが立ち去り、戻ってくるとそこには見慣れた犬たちがいた。


「あ、ローズ、マリー。なんで、どうしたの?」


TAKAHIROは、花奏には内緒で2匹を連れて来て欲しいとスタッフに頼んでおいたのだった。


「ローズとマリーがいれば、少しはリラックス出来るかなと思って、スタッフさんにおばあちゃん家へ借りに行ってもらったよ」


TAKAHIROの予想通り、花奏は、2匹を見た途端急に肩の力が抜けていつもの笑顔になった。


「よし、かなちゃんそのままの笑顔で行こう」


監督も今がチャンスとばかりに張り切った。



花奏はそれ以降いつもの自分を取り戻し、撮影は順調にすすんだ。
< 37 / 142 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop