牙龍 私を助けた不良 下
そのまま、暫く鏡に写っている自分をぼんやり眺めてから、静かに部屋を出て一階へ降りる。
リビングから聞こえてくる声に耳を傾けていると、ふいにその声が止んだ。
不自然な沈黙であるにも関わらず、私は何も考えることなくリビングのドアを開けた。そして。
「──桃華に何してるんだっ!?」
ふるふると震えている桃華をソファーに押し倒して、迫っている男を見て、私は彼女の上からそいつを蹴り落とした。
「りっ、凜華ちゃんっ」
桃華が私に気が付いて、素早く抱き付いてきた。身体はまだ震えている。