ウラ/オモテ
「序章」

わたしは咲乃美咲。
さ き の み さ きです。


只今、7時40分

電車で通学なうです。



列車の一番端っこの席で
イヤホンをして、
小説を読んでるのがわたし


その小説のタイトルは英語で
“truth(真実)”と
書かれてあり、横からぱっと
文面を見ただけでも
それが難しい本で
あることが分かるほど。


普通のミステリー小説なんだけど
用語が難しいからそう見えるだけで
内容は簡単で面白いものだ


一見、周りから見ると、
いかにも賢そうな女子高生が
通学の間に音楽を聴き
小説を読んでいるという
あたかもその少女が
高校生活を充実しているかの
ように思わざるを得ない


一見は…
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