貴方からの卒業証書。
優那の家の近くに着いたものの、優那は降りることが出来ずにいた。

「優那ちゃん、ごめんなさいです」

陽輝から突然の謝罪をされたからだ。驚きながらも次の言葉を待つ。

「僕は、あの日からずっと考えてました。気持ちを伝えることは正しいことなのかと。自分の気持ちに素直になればいいはずなのに……、直ぐには答えを出せなくて、こんなに君を待たせてしまって……。今更、答えなんて君は求めてなんかいないのではないかって。はっきりしない僕なんて忘れて彼氏がいるんじゃないか。そんな、悪いことばかり思い浮かべていました。
……この飲み会に誘ってくれたのは志摩くんでした」
「え?」
「君は良い友人を持ちましたね。─これ以上、優那を傷つけないで欲しいって。自分の気持ちに素直になればいい─って言われました。─学校で出会ったから好きになったのか。優那自身が好きになったのではないか─とも」

優那が言われたのと似た言葉。

「おかげで決心がつきました」
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