目の前のアイツ
第一章 居残りの図書室
ー登校中ー       雨上がりの今日。あたりには、ところどころに水たまりがある。いつもなら、こんなじめじめした空気はイヤになってしまうのだが、この日は違っていた。
「~♪~♪♪」
あたしはつい鼻歌を歌っていた。どうしてかって?
それは……
今日から、あたしの気に入っている店で、期間限定のオリジナルケーキの発売なのだ~☆
「早く食べたいな~。オリジナルケーキ!」
と浮かれながら、水たまりを飛び越えようとジャンプしたのはいいものの……
「わわ!」
変にバランスをくずしてしまった。
(こける!)
そう思い、身構えた、が。
(あ、れ?)
痛みがこない…
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