World Walker
彼女の両手には、包帯。

葬送の炎を素手で受け止め、皮膚が剥がれて肉まで削げ落ちていたりせの両手。

本来ならば病院に行って手当てすべき傷だが、戦闘を終えて幾らもしないうちに、彼女の両手は肉が盛り、皮膚も薄皮がはり始めていた。

信じ難い回復力…いや、再生能力というべきか。

故に千春の素人手当てでも何とかなりそうだった。

「ホンマに何者なん、りせちゃん。姫羅木さんと互角の相手なんて、そうはおらん筈じゃけど…」

「まぁそれはいいじゃない」

千春の問いかけをはぐらかすりせ。

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