World Walker
それこそが天地 りせ。

様々な世界を渡り歩き、何処かの世界へと逃げ去った『悪』を倒すべく、旅を続ける『マー君の創造した二人目の最高傑作』こそが、りせの正体だった。

「そうか…よくやってくれたね、りせ。遂に辿り着いたんだね」

ギシリと椅子の背凭れを軋ませ、マー君は表情を引き締める。

不憫に思う。

必要な力を与えたとはいえ、少女にこんな過酷な宿命…いや、過酷な『設定』を与えてしまった事を。

自分の過ちで、りせには辛い旅を強いてしまった。

しかし。

『か、勘違いしないでよねっ』

まるでマー君の苦悩を察したかのように、りせはツンデレ口調で言う。

『私は好きでこの旅を続けてるんだからっ、別にマー君の為に旅をして、その悪とやらを倒そうとしてるんじゃないんだからっ、マー君の事なんて、私全然何とも思ってないんだからねっ!』

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