World Walker
皇帝は、りせには見向きもしなかった。

顎をしゃくり、一言。

「やれ」

その言葉で、鈍色の騎士達は一斉に進軍してきた!

槍を、剣を振りかざし、りせたった一人に襲い掛かってくる精強な兵士達。

だが。

「甘く見るんじゃないわよっ!」

りせは臆する事なく馬を駆けさせる!

進路を変える事なく突進させ、大きく剣を一振り!

それはどれ程の豪腕なのか。

彼女の斬撃で、鈍色の騎士達が7人8人と吹き飛ばされる!

「…なに…?」

振り向く皇帝。

彼が見たのは、まるで木の葉のように宙を舞う自軍の兵士達だった。

竜巻が軍勢を舐め尽くすように、りせの斬撃が騎士達を纏めて斬り散らす!

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