恭&綾~【恭&綾シリーズ】1

「オレはうちの親たちみたいな関係って、いいなって思うよ」

「うん。気付かされた感じ。イラストのこと、せっかく好きなことを持っているんだから、もっと頑張ってみようと思った」

「きっとさ、頑張っている綾を見たら、かわいそうな奴なんて、思わないと思う。綾が傷ついた言葉のことも、言ってみたら?」

「そうだね。ほんとうの意味は、違うのかもしれない」

「もし、それによって、立ち直れないほどの傷を受けたらさ、――オレがいるよ」


綾は足をとめる。

恭司が振り返って少し照れくさそうに綾を見る。


< 285 / 286 >

この作品をシェア

pagetop