スイートペットライフ
「……おき……青木!」

ぼーっとしていた私の顔を諏訪君が覗き込んでいた。
「わ!」

見目麗しい顔が目の前にあって驚く。

「わ!じゃないよ。大丈夫か?三橋興産、ネットの調子悪いらしくてデータメモリに落としてもらってきて。ちゃんとパスワードかけろよな」

「うん、分かってる。経理訪ねたら大丈夫だよね?」

そう言ってメモリをバックに入れる。

「そう、チャリで行く?」

「うん。近いしそうするよ」

事務所の自転車の鍵をとると、バックをつかんで外出の準備をした。

お遣いは嫌いじゃないので割と進んで引き受ける。

今日みたいな5月のすがすがしい空気の中事務所で仕事をしているよりは、お遣いをするほうが私は好きだった。

「いってきま~す」と声を事務所に響かせると足早に階段で1階までおりた。

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