スイートペットライフ
「あ……」

「全然大丈夫じゃねーじゃん」

そう言って、握られた手を引いて、私を胸に抱きこんだ。

「はぁーマジで間に合ってよかった。お前がアイツといるの見た時あせった」

そう言いながら、私の背中をさすってくれる。

彼の腕の中の温度が私に安心感を与えてくれて、こわばった身体が弛緩する。

すると、抱きしめられていた腕が緩められる。

「お前もう、三橋興産には関わるな。向こうの社長にもうちの所長から話してもらうようにするから」

「でも…仕事だし」

「いいから、もう俺が嫌なんだよ」

私にまっすぐな瞳を向ける諏訪君。

「俺、お前が他の男に言い寄られてるの見るの耐えられないんだ」

「え?」

「俺の我儘だって思ってもいい。だけど、こんな思いするの嫌なんだ」

そして、私をもう一度強く抱きしめる。

「俺、お前のこと好きなんだ」

そう言った、彼の目には今まで見たことがないような情熱が見え隠れしている。

私は思わず息をのむ。

「散々アピールしてきたつもりなのに、青木まったく気が付かないし」

「ごめん」

思わず謝罪の言葉が口からでた。
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