スイートペットライフ
「そういえばさー青木毎日弁当作ってんの?」
「うぐっ……ごほ。あっい」
口の中に入れようとしていた山芋のふわふわやき(超あつあつ)を諏訪君のセリフで口に運ぶスピードを間違えて、口の中が大変だ。
「おいおい大丈夫か?」
私のあわて具合にカウンターの本橋君に向かってお冷を頼んでくれた。
思いのほか早く届けられたお冷を一気に飲んで、いったん落ち着く。
「作っているといえば作っているよ」
私じゃなくて大倉さんがだけど。
「そっかーじゃあいつか俺の分も作ってよ。それで一緒に喰おう」
肘をついた姿勢で、おねだりされる。
思わず精悍なおねだり顔に『うん』と言ってしまいそうになるけれど思いとどまった。
「ダメダメ!人に食べさせられるような内容じゃないし」
心の中で大倉さんに手を合わせて謝る。
「そーっか。じゃぁ今練習中ってところ?」
「う、うん。そう」
練習中も何も、大倉さんと引越ししてからの料理はこないだ作ったおにぎりだけだ。
退化の一途をたどっていると言っても過言ではない。
目が息継ぎもなしに泳いでいるのにどうか気が付かないでほしい。
「上手になったら作ってくれよな」
頬杖をついて優しく微笑まれた。
「りょーかいしました……」
罪悪感いっぱいの返事をしたが、大分杯を重ねたアルコールのおかげか諏訪君はそれに気が付いていなかった。
「おまちどっす。出汁巻き卵っす」
そう言ってアルバイトらしき男の子が出汁巻き卵を私と諏訪君の間に置いた。
気まずさからすぐにほかほかの出汁巻き卵に手をつける。
一口かじると、すかさず諏訪君が言った。
「アイツの作る出汁巻きうまいだろ~」
そう言いながら、諏訪君も出汁巻きを食べている。
「う…ん。おいしいね」
そう返した私。
だけど素直においしいと言えなかった。
だって私の知っている“おいしい出汁巻き卵”はこの味じゃない。
いつもお弁当に必ず入っている大倉さんの出汁巻き卵じゃない。全然ちがう――
「うぐっ……ごほ。あっい」
口の中に入れようとしていた山芋のふわふわやき(超あつあつ)を諏訪君のセリフで口に運ぶスピードを間違えて、口の中が大変だ。
「おいおい大丈夫か?」
私のあわて具合にカウンターの本橋君に向かってお冷を頼んでくれた。
思いのほか早く届けられたお冷を一気に飲んで、いったん落ち着く。
「作っているといえば作っているよ」
私じゃなくて大倉さんがだけど。
「そっかーじゃあいつか俺の分も作ってよ。それで一緒に喰おう」
肘をついた姿勢で、おねだりされる。
思わず精悍なおねだり顔に『うん』と言ってしまいそうになるけれど思いとどまった。
「ダメダメ!人に食べさせられるような内容じゃないし」
心の中で大倉さんに手を合わせて謝る。
「そーっか。じゃぁ今練習中ってところ?」
「う、うん。そう」
練習中も何も、大倉さんと引越ししてからの料理はこないだ作ったおにぎりだけだ。
退化の一途をたどっていると言っても過言ではない。
目が息継ぎもなしに泳いでいるのにどうか気が付かないでほしい。
「上手になったら作ってくれよな」
頬杖をついて優しく微笑まれた。
「りょーかいしました……」
罪悪感いっぱいの返事をしたが、大分杯を重ねたアルコールのおかげか諏訪君はそれに気が付いていなかった。
「おまちどっす。出汁巻き卵っす」
そう言ってアルバイトらしき男の子が出汁巻き卵を私と諏訪君の間に置いた。
気まずさからすぐにほかほかの出汁巻き卵に手をつける。
一口かじると、すかさず諏訪君が言った。
「アイツの作る出汁巻きうまいだろ~」
そう言いながら、諏訪君も出汁巻きを食べている。
「う…ん。おいしいね」
そう返した私。
だけど素直においしいと言えなかった。
だって私の知っている“おいしい出汁巻き卵”はこの味じゃない。
いつもお弁当に必ず入っている大倉さんの出汁巻き卵じゃない。全然ちがう――