スイートペットライフ
14. 女の戦闘能力と飼い主の勘
マンションに着くと部屋が暗くて、大倉さんがまだ帰宅していないのを意味していた。

電車に揺られながら今日のことを思い返すと、なんだかそわそわするようなふわふわするような……。

この状況を大倉さんがみたら、勘の鋭い彼のことだ。もしかしたら諏訪君の存在をも見抜いてしまうかもしれない。恐るべし変態千里眼で。
ぶるっと身体が震えた。武者震い?違うか……。

くだらないことを考えていないで、早くお風呂に入ろう。そして大倉さんが帰ってくる前には寝てしまおう!

そう思った私は、すぐに自分の部屋に着替えを取りに行きバスルームへと直行した。

***

朝目覚めると、すでにキッチンからいい匂いが漂ってきていた。
キッチンに近付くとバターの豊潤な匂いが鼻をくすぐる。思わずクンクンしているのを大倉さんが目を輝かせてみている。

「あぁ、朝からミィの新しい顔を見られるなんて今日はきっとラッキーデーだ。星占いなんて見るまでもない」

新しい顔ってア●パンマンか……。

「もう、朝から変なこと言わないでください。――おはようございます」
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